「6歳からは高濃度フッ素配合の歯磨き粉使っていいよって言われたけど、ミントがからくて子供が使ってくれない。」
って相談をたまに受けます。
こんにちは。ちゃんと歯医者の仕事もしてる私です。
外来歯科診療の他に児童施設で講話を行っていますが、この手の質問はやはり多いですな。
6歳からは大人と同じ1,500ppmのフッ化物濃度を使って大丈夫なんだけど、探してみると確かに高濃度フッ化物配合とある歯磨き粉の多くがミントもしくはなんちゃらミントなのよね。せっかくミント弱めでもあんまり美味しくなかったりする。
濃度の低いものならミント風味のない甘くて子供の喜びそうな味があるけど、せっかくならより効果的な歯磨き粉使いたいよね。
…うーん
…海外のってなんか子供が喜びそうなのありそうだよね
というわけで探してみたらありましたよ。
えげつない色でなんかキラキラしててミントのかけらも感じない甘々な味の歯磨き粉が
今回はそんな海外の歯磨き粉を、その成分を日本の歯磨き粉と比較しながら見ていくよ。見るだけ。紹介でも推奨でもなく見るだけ。こんなんあるんだねーって見るだけ。マジで。
※注意※
今回見ていく歯磨き粉は日本国内での安全性評価がされていないため、輸入、使用する場合は成分をよく確認し、慎重に判断してください。お子さんの口腔環境に合うかどうかは、かかりつけ歯科医師と相談するのが望ましいでしょう。
※注意※
Crest Kid’s Cavity Protection SPARKLE FUN Tooth Paste

アメリカP&G社の「Crest」シリーズから、ご機嫌なパッケージの歯磨き粉。
中身を出すとこんな感じ

まさに自由の国アメリカな感じの色。よく見るとペーストの中にキラキラのラメが入ってる。夢かわいい。
味
あんーーまい。ひたすら甘い。
アメリカンなデカいガムボールあるじゃないですか。あんな感じのよくある海外のお菓子のよくわからん味と甘みと言えばいいだろうか。アメリカ味ですアメリカ味。お菓子として食べると不味いけど歯磨き粉として口にするとGood Taste。子供は喜びそう。
成分
有効成分:
- フッ化ナトリウム(フッ化ナトリウムを主にしたフッ化物1,500ppm)
その他の成分:
- ソルビトール
- 水
- 水和シリカ
- ラウリル硫酸ナトリウム
- リン酸三ナトリウム
- リン酸ナトリウム
- セルロースガム
- 香料
- サッカリンナトリウム
- カルボマー
- 雲母
- 二酸化チタン
- 青色1号
雲母?と思ったらキラキラのラメが恐らくそれかな?。
ここで日本のある子ども向け歯磨き粉を例に、それぞれ成分を比較してみましょう。
分類 | Crest Kid’s Toothpaste | 日本の子ども用歯磨き粉 |
---|---|---|
湿潤剤 | ソルビトール、水 | ソルビット液、PG |
清掃剤 | 水和シリカ | 無水ケイ酸A |
香味剤 | 香料(バブルガム系)、サッカリンNa | 香料(果実系)、キシリトール、サッカリンNa |
粘結剤 | セルロースガム | キサンタンガム、ポリアクリル酸Na |
発泡剤 | ラウリル硫酸Na | ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液、ラウリル硫酸Na |
薬用成分 | フッ化ナトリウム(1,100ppm、総フッ化物濃度1,500ppm) | フッ化ナトリウム(950ppm) |
安定剤 | 酸化Ti、雲母(Mica) | 酸化Ti |
保存剤 | 無記載(含まれていない可能性) | パラベン |
コーティング剤 | 記載なし | ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド |
着色料 | 青色1号 | 不明(未使用の可能性あり) |
日本の歯磨き粉には保存料が入っている。その代わり、Crest Kid’s Cavity Protection SPARKLE FUN Tooth Pasteには見た目が楽しくなるよう、着色料やキラキラが入っている。
どちらの歯磨き粉にも日本の法律で使用が禁止されている成分は入っていない。
おわりに
子ども用ではない通常の歯磨き粉にはフッ化物の他に、俗にいう歯周病予防成分、口臭予防成分、着色予防成分などの薬効成分が複数含まれていることが多い。
今回紹介したCrest Kid’s Cavity Protection SPARKLE FUN Tooth Pasteも比較対象として出した日本の子ども用歯磨き粉もフッ化物以外の薬効成分は入っておらず、虫歯予防に特化したものと考えていいと思う。本当に必要な成分以外は、なるべく余計な添加物を入れないよう配慮がされているように感じた。
とはいえ、現在日本の子ども向け歯磨き粉は6歳からの使用を考えるとフッ化物濃度が低い。かといって大人と同じものだとまだまだミントがきつすぎる。今後商品の幅が増えることに期待したい。
というわけで、海外の歯磨き粉を見ていきましたが、最後にもう1度
今回見ていった海外の歯磨き粉は日本国内での安全性評価がされていないため、輸入、使用する場合は成分をよく確認し、慎重に判断してください。お子さんの口腔環境に合うかどうかは、かかりつけ歯科医師と相談するのが望ましいでしょう。
それではまた。
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